新生児の0.3パーセントが心室中隔欠損症・・・最も多い先天性心臓病

心臓に穴!?心室中隔欠損症とは?

生まれてきた我が子の心臓に穴が空いていると聞かされるとびっくりしてしまいますよね。ですがそういう状態で生まれる子どもは意外と多いのです。特に左右の心室の間の壁(中隔)に穴が空いている「心室中隔欠損症」は先天性心臓病で最も多い病気です。重症化することは少なく、要手術でも予後の経過は比較的順調なので、そう怖い病気ではありません。そもそも心臓に穴が空いているとはどういう状況なのでしょうか。胎児の心臓ができ始めるのは妊娠3週間頃。始めは細長い管状をしています。その管が段々変形して4つのふくらみがある部屋になります。その後内部では上下から膜が伸びてきて繋がり、左右からも膜が伸びてきて繋がって4つの部屋に分かれていきます。その行程で隙間なく壁ができるのが正常の状態ですが、時には塞がりきらない場合もあります。つまり心臓の穴とは後から空いてしまったわけではなく、塞がりきらなかったものなのです。病気を持って生まれると妊娠中に何か胎児に影響するようなことをしてしまったのではと不安になる方もいらっしゃるでしょう。しかしこの病気は一定の頻度で発現するもので、遺伝でもなく妊婦の生活習慣とも因果関係はないのです。

穴の大きさは大きい?小さい?中くらい?

穴の大きさによって症状や経過が違います。小さい場合は心雑音以外症状はなく、すぐに発見されないこともあります。ですが成長とともに自然に塞がってしまうことが多いので慌てる必要はありません。穴の大きさが中~大の場合、生後すぐミルクの飲みが悪い、息切れする、大汗はかくが尿が出にくいなどの症状が現れるので発見されやすい傾向があります。そのような場合は保育器に収容し、栄養補給と利尿の為に点滴をします。NICUがない場合、転院が必要になるかも知れません。ある程度症状が収まってから退院なので通常より長い入院になるでしょう。退院後も利尿剤や強心剤などを服用する場合もあります。心臓への負担軽減の為、授乳量の制限をすることも。体重によって授乳量を計算するので、ベビー体重計があると便利です。また肺への血液量が通常より多いので肺への負担が大きく、肺炎や気管支炎になりやすいので注意しましょう。それに動脈血と静脈血が混ざり合う状態である為、細菌が心臓に巣を作ってしまう病気、細菌性心内膜炎にも注意が必要です。細菌感染しやすい大怪我や抜歯の際は心室中隔欠損症であることを申告し、抗生物質などで予防するようにしましょう。

手術をするとしたら就学前に

退院後は定期的に胸部レントゲン、心電図、心エコーなどの検査をしていきます。これは症状がない小さな穴の場合も必要です。本当に自然に穴が塞がっていくか見守らなければならないのです。悪化することはあまりありませんが、忘れずに定期検査を受けましょう。穴が中くらいの場合は手術が必要かの確認、大きい場合は手術前検査として、心臓カテーテル検査をします。足の付け根の大静脈から心臓まで細いカテーテルを挿入、造影剤を注入して穴の状態を精査します。結果、手術は必要ないが自然にも塞がらないという場合、諸症状がなければ運動制限なしと診断されますが、定期検査は続けてください。要手術の場合は1歳頃~遅くても就学前にすることになります。手術は心臓を開いて周辺の組織と同化するパッチを穴に貼付けます。心臓を開くのは怖いと感じるかも知れませんが、成功率の高い手術なので医師の説明をよく聞いて納得の上、手術に臨んでください。その後も定期検査をきちんと受けましょう。就学後は検査の度に「心臓病学校生活管理指導表」を学校に提出して学校側にも病状を把握してもらい、上手に病気と付き合っていってください。

冠動脈バイパス手術は生死に関わる重大な手術なので、セカンドオピニオンをして信頼できる医師がいる病院で行うことが重要です。